消費者庁は6月15日、ジェネリック医薬品の製造・販売などの事業を営んでいると偽って社債購入を勧誘する事例が国民生活センターなどに寄せられているとして注意喚起を行った。同庁が調査したところ、所在地として記載されていた住所に当該企業は存在していなかったという。
消費者庁のプレスリリースによると、2016年3月以降、ジェネリック医薬品の製造・販売などの事業を営んでいると偽って、無担保転換社債型新株予約権付社債の購入を勧誘する事業者に係る相談が、各地の消費生活センター等に寄せられており、消費者庁が調査したところ、「東洋堂製薬株式会社」と称する業者の勧誘において消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(不実のことを告げること)を確認したという。
具体的には、被害者に対して東洋堂製薬を称する団体から勧誘資料が送付され、その後、購入希望者を名乗る人物から名義貸しを依頼される。これに承諾する、しないに関わらず、被害者の名義を用いて購入したとの連絡が購入希望者から寄せられ、こんどは購入希望者との続柄の偽装を依頼される。その後、弁護士を名乗る人物から違法行為だと糾弾され、銀行口座が差し押さえられるので口座に入金されている金を宅配便を使って指定住所に送るように指示されるというもの。
これは、日本証券業協会の「未公開株通報専用コールセンター」が収集・公表している手口のうち「劇場型」に分類されている手口が使用されているものと思われる。また、現金を宅配便で送る行為は郵便法に違反する行為であるため、これを知っておくだけでも被害防止には役立つだろう(適法に現金を送付する方法としては現金書留を利用する方法がある)。
同様の手法を用いた詐欺ではないかと思われる電話や不審な郵便物などが届いた場合には、消費者ホットライン(電話:188(いやや!))や、警察相談専用電話(電話:#9110)に連絡して相談するなどしてほしい。また、証券会社などが加入する業界団体「日本証券業協会」でも「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止コールセンター(電話:0120-344-999)を開設しているため、警察などに相談するのはちょっと・・・と思う場合などに活用してほしい。
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