同社は1964年(昭和39年)に機械工具類販売業として創業し、1968年(昭和43年)7月に法人改組した農村型テーマパークの運営会社。スーパーやホームセンターを経営する関係会社などを含めたグループ全体で、「とうほくニュージーランド村」(岩手県)、「赤城高原牧場 クローネンベルク」(群馬県)、「信州塩尻農業公園 チロルの森」(長野県)、「滋賀農業公園 ブルーメの丘」(滋賀県)、「岡山農業公園 ドイツの森クローネンベルク」(岡山県)などの運営を全国で展開し、ピーク時の2002年4月期には約92億6500万円の年間売上高を計上していた。
しかし、その後はレジャーの多様化や個人消費の低迷で集客力が低下。「広島ニュージーランド村(高田郡高宮町(現:安芸高田市))」や「愛媛わんわん村(温泉郡重信町(現:東温市))」など一部のテーマパークの閉鎖など、業容縮小を余儀なくされたほか、多額の有利子負債が収益を圧迫していた。この間、ガソリンスタンドやスーパーの経営を手がける関連会社の事業を承継し、経営多角化を図るなどしていたが軌道に乗らず、相次いで撤退。グループ全体でも財務体質が悪化するなか、2013年4月期には整理回収機構の支援のもとで企業再生スキームに沿って大幅な債務カットを実施、経営再建を進めていた。しかし、2015年4月期の年収入高は約31億4500万円にとどまったうえ、今年に入ってから年収入高が計画を大きく下回るなど業況が改善しなかったため、今後もテーマパークへの来場者増加の見通しが厳しいと判断し自主再建を断念したという。
赤城高原開発は、ファームと宮城村(現:前橋市)の第三セクター方式により設立されたドイツの農村をイメージしたテーマパーク「赤城クローネンベルク(旧称:赤城高原牧場クローネンベルク)」の運営会社。当初はレストラン経営と不動産賃貸収入のみだったため、年間売上高は約1億9000万円ほどで推移していたが、2007年3月期中にファームの完全子会社となったことにより運営管理全般を手掛けるようになり、2007年3月期は売上高約7億5800万円を計上していた。しかし、景気後退による来場者減少などにより業績が低迷し、2013年3月には親会社とともに整理回収機構の企業再生スキームの適用となって借入金圧縮を図り、2015年3月期は売上高4億6990万円と回復の兆しを見せたものの、今後の安定した来場者の確保は難しいと判断したため、親会社とともに今回の措置となったという。
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■関連リンク
株式会社ファーム
http://www.farm-group.jp/index.html
赤城クローネンベルク
http://akagi-kronenberg.jp/
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