信用調査大手の東京商工リサーチによると、東京都豊島区東池袋の「有限会社トム・インターナショナル・スクール」(代表取締役:赤堀道子)は5月11日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成28年(フ)第3132号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成28年9月8日午後2時30分、破産債権の届出期間は6月8日までとなっている。また、破産管財人には小沢年樹弁護士(城北法律事務所、東京都豊島区西池袋1-17-10、電話:03-3988-4866)が選任されている。
同社は2005年(平成17年)3月に設立された乳幼児向けの保育園、幼児英語教室、英会話スクールを展開する教育事業者。30人ほどのスタッフを擁し、保育園事業では「トム保育園」として0歳からのバイリンガル教育として大卒外国人講師が教育に携わり、都内では保育所不足という環境もあり、認可外保育施設として人気を得ていた。幼児英語教室・英会話スクールは「トム英会話学院」としてイギリス人やアメリカ人のネイティブスピーカーをそろえ、オリジナルカリキュラムを使って、一時は月間500名近くのこどもたちが学んでいると紹介されていた。これらの事業によって、2015年3月期には約8000万円の売上高を計上していた。
しかし、保育園事業において東京都福祉保健局から有資格者の配置不足および保育室の面積不足を指摘されていたものの、改善勧告に従わず、2013年2月5日には保育園内でインフルエンザに罹っていた2歳児が死亡する事故が発生するなど、信用を大きく失墜していた。*1 2015年2月には保育施設としての基準遵守に対する理解や意欲が乏しいとして東京都から再度の勧告を受け、同年4月に改善状況の確認のため再度、特別立入調査が行われたが、勧告内容の一部について改善が図られない状態が続いていたため、都が施設・法人名を公表。*2 これにより、同社は施設運営の継続を断念し、今回の事態となったという。
*1:都の指導に従わず死亡事故も!東京都の人気インターナショナルスクールで何があった?(Mamanoko、2015年06月02日
)
*2:改善勧告に従わない認可外保育施設「トムインターナショナルスクール」について(東京都福祉保健局、平成27年6月1日)
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