官報(6770号)によると、大阪市東成区の「新和物産株式会社」(特別代理人:濱田雄久)は4月25日、大阪地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成28年(フ)第1527号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成28年7月25日午前11時、破産管財人には今枝史絵弁護士(弁護士法人御堂筋法律事務所、大阪府大阪市中央区南船場4-3-11 大阪豊田ビル、電話:06-6251-7266)が選任されている。
同社は大正12年3月に和漢薬卸商「井上喜商店」として創業し、昭和25年に「株式会社井上商店」として法人化した後、井上商店を基盤に昭和34年7月に設立された医薬品・医薬品原料輸入販売および医薬品製造を事業とする会社。主に漢方薬、および漢方薬の原料となる生薬を中国から輸入販売していたが、平成7年に品質向上と安定輸入を目的に陝西省西安市に西安鴻雲(集団)有限公司との日中合弁会社「西安新鴻興実業有限公司」を設立し、生薬の委託栽培や生薬・健康食品の開発・製造に着手。平成9年には香港の隆泰貿易行との合弁会社「安国新隆中薬材有限公司(英語名称:ANGUO XINLONG TRADITIONAL & HERBAL MEDlCINE CO.,LTD.)」を設立。安国新隆社はGMP対応の生薬加工工場で、加工された生薬は中国国内の製薬メーカーへの納入をはじめ、日本、アメリカ、韓国及び東南アジア各国に輸出されていた。
しかし近年は、中国国内における漢方薬の需要が高まったことなどから原料価格が高騰し、本業である医薬品原料輸入業が不振となり、さらに安倍政権の金融・経済政策による円安により輸入コストが大幅に上昇するなど、採算悪化に歯止めがかからなくなっていた。
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