官報(6772号)によると、移動体通信大手の「株式会社NTTドコモ」(東京都千代田区永田町、代表取締役:加藤薫)は子会社の「株式会社mmbi」(東京都港区赤坂、代表取締役社長:脇本 祐史)と孫会社の「株式会社ジャパン・モバイルキャスティング」(本社:東京都港区、代表取締役社長:石川 昌行)を吸収合併することを発表した。合併手順としては、mmbiがジャパン・モバイルキャスティングを吸収した後、NTTドコモがmmbiを吸収するという手順を取り、これら2つの吸収合併の効力発生日は平成28年6月2日となっている。この吸収合併は、被存続会社の事業終了後における効率的な残務整理を目的としているという。
mmbiは2006年12月に「マルチメディア放送企画LLC合同会社」(後に株式会社マルチメディア放送に組織変更)として設立された放送法に定める基幹放送事業及び関連するサービスを事業内容とする会社で、2011年4月に現商号に変更後、スマートフォン向けに一部のBS/CS放送を配信するサービス「NOTTV」を運営していた。しかし、2012年4月のサービス開始当初、3~4年後の単年度黒字化を見込んでいたが、マルチメディア放送に新規参入する事業者が無く、参入企業の拡大を促進するため条件を緩和したが、これを受けたのは既存のテレビジョン放送の事業者5社に留まるなどしたため、会員数が伸び悩み、2012年度に約215億円、2013年度に約168億円、2014年度に約503億円の損失を計上し、2014年度までの累積赤字は約996億円に達していた。このため、2015年12月17日をもって新規の登録受付を停止し、2016年6月30日をもって全サービスを終了することを発表していた。
ジャパン・モバイルキャスティングは2011年1月、放送法の改正により移動受信用地上基幹放送の事業者はハード(送信設備)とソフト(番組)を分離しなくてはならなくなったため、株式会社マルチメディア放送が会社分割をする形で設立された会社。地上テレビジョン放送の完全デジタル化に伴い利用可能となる207.5MHz以上222MHz以下の周波数を使用して行うモバイル向け専用放送「モバキャス」の移動受信用地上基幹放送の基幹放送局提供に関わる設備の構築・運用を事業として行っていた。NOTTVのサービス終了に伴い、モバキャスについても提供を終了することとなったため、今回の事態となったという。
■関連リンク
連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ<2016年4月28日>(株式会社NTTドコモ)
https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2016/04/28_04.html
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