官報(6763号)によると、三重県熊野市飛鳥町の「鬼の国物流協同組合」(代表理事:朝尾高明)は4月15日、津地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成28年(フ)第13号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成28年7月15日午後4時、破産債権の届出期間は5月16日までとなっている。また、破産管財人には原健治弁護士(熊野ひまわり基金法律事務所、三重県熊野市井戸町366-2、電話:0597-88-2100)が選任されている。
同組合は1986年(昭和61年)3月に設立された林業を事業とする会社を中心に農業、水産業、製材業者などによる異業種連携のために組織された事業組合で、平成8年4月に国道42号線沿いに開設され、平成9年10月に道の駅認定を受けた「道の駅 熊野きのくに」の運営を行うほか、地域の郷土物産をインターネットなどを通じて販売し、最盛期となる平成10年度には1億1700万円の売上高を計上していた。
しかし、国道42号線沿いに並行する形で自動車専用道「熊野尾鷲道路」が開通すると、国道42号を通行する交通量が約5分の一にまで激減したため、2014年度の売上は3400万円にまで減少。数年前には熊野新鹿IC付近への移転が検討されたが、予定地となっていた山の撤去に膨大な費用が掛かることが判明したため計画が白紙化。*1組合従業員の整理などで経営立て直しを図ったが収益確保の見通しが立たなくなったため、2015年10月23日をもって道の駅を閉業し、清算処理に移行していた。
*1:道の駅「熊野きのくに物産館」閉店 熊野尾鷲道路開通で利用者激減(伊勢新聞、2015年10月24日、Wayback Machineによる魚拓)
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