信用調査大手の東京商工リサーチによると、東京都板橋区小豆沢(登記上の本店所在地:東京都豊島区駒込)の「千鳥屋総本家株式会社」(代表取締役:原田季和)は5月16日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は吉田広明弁護士(弁護士法人北浜法律事務所東京事務所、東京都千代田区丸の内1-7-12、電話:03-5219-5151)。監督委員には田口和幸弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、東京都中央区八重洲2-8-7、電話:03-3273-2600)が選任されている。
負債総額は債権者約180名に対して約23億円。
同社は1992年(平成4年)2月に菓子製造業「千鳥屋総本家株式会社」の関連会社「東京千鳥屋ビル株式会社」として設立された和洋菓子製造会社。当初の業種は不動産売買・賃貸業で、2009年7月に千鳥屋総本家の創業者である原田良康氏が所有する豊島区駒込の本店ビル及び川口工場、蕨工場の不動産を買取し、2011年2月期の売上高は約1億5500万円を計上していた。
関連会社の菓子製造業「千鳥屋総本家株式会社」(1964年5月設立、東京都豊島区)は1630年(寛永7年)に現在の佐賀市で創業した焼菓子専門店「松月堂」(1939年(昭和14年)に佐賀の本店を閉業し、福岡県飯塚市の千鳥屋(現在の株式会社千鳥屋本家)を本店に変更)の東京支店として創業し、2002年には和菓子「隅田川」が全国菓子大博覧会で最高賞名誉総裁賞を受賞するなど、高い評価を受けていた。近年では、東京ディズニーリゾート向けに製造販売した「チョコレートクランチ」を主力とし、和菓子「千鳥饅頭」や洋菓子「チロリアン」などのほか、国内外の企業向けにOEM販売を手掛け、ピークとなる2008年12月期には約38億9100万円の売上高を計上していた。
しかし、2012年に原材料価格の高騰や売り上げの低下などから千鳥屋総本家の資金繰りが悪化。2014年12月に同社が千鳥屋総本家を吸収合併し、現商号に変更。その後は物流センターの統合や駒込の本店不動産の売却などで事業のスリム化を図っていたが、大口取引が打ち切られたこともあり、売上減少に歯止めがかからず資金繰りが一段と悪化し、今回の措置となったという。今後は、神戸市中央区株式会社ジーライオンを筆頭とするのジーライオングループ(旧:クインオートグループ)がスポンサーとなり営業を譲渡する予定となっている。
なお、同社と起源を同じくする老舗菓子メーカーの株式会社千鳥饅頭総本舗(福岡市博多区)や株式会社千鳥屋本家(福岡県飯塚市)、株式会社千鳥屋宗家(兵庫県西宮市)とは別法人であり、これら3社は現在も通常通り営業を続けている。
千鳥饅頭総本舗 あまおうチロリアン詰合せ 27本入
■関連リンク
千鳥屋総本家
http://chidoriya.com/
ジーライオングループ
http://www.glion.co.jp/
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