経営再建中の総菜メーカー「セトウチデリカ」が民事再生手続き廃止、破産手続きに移行へ

信用調査大手の帝国データバンクによると、2014年5月30日に松山地方裁判所今治支部へ民事再生法の適用を申請し、再生手続きを進めていた愛媛県今治市の「株式会社セトウチデリカ」(代表取締役:藤田浩一)は再生計画の遂行が困難となり、3月23日までに同地裁から民事再生手続きの廃止決定及び保全管理命令を受けていたことがわかった。今後、松山地裁今治支部の職権により破産手続きへ移行する予定とのこと。保全管理人には、越智顕洋弁護士(一番町法律事務所、愛媛県松山市一番町2-5-20、電話:089-961-1447)が選任されている。

同社は1999年(平成11年)6月に設立された惣菜メーカー。株式会社ダイカイフード(大阪市浪速区、代表取締役:金本誠一)が2007年6月に自己破産した「有限会社セトウチフーズ」(旧社、愛媛県今治市、代表取締役:阿部俊範)を買収し、コンビニ・スーパー向け弁当・惣菜販売部門を分離・承継させる形で設立。積極的な設備投資を実施して商品の生産体制を整え、大手スーパーや量販店への販路を構築する一方で、冷凍加工食品部門では大手冷食メーカーの外注指定業者となるなど、大手顧客との取引比率を高めて供給量を伸ばし、最盛期の2012年6月期には年売上高約56億円を計上していた。

しかし、納入先である大手量販店の価格競争激化に伴う販売単価の引き下げ要請が強まる一方、原材料相場が高値で推移したため、過年度の設備投資に伴う多額の有利子負債が収益を圧迫。そのため2013年2月にはチルド・冷凍加工食品を製造していた広島工場を閉鎖するなど、リストラによる収益性の改善を進める一方で、金融機関や愛媛県中小企業再生支援協議会に経営再建の支援を要請したものの奏功せず、同年9月には当社および代表者が消費税法違反と地方税法違反の罪で松山地裁に起訴される(2013年12月に実刑判決を受けた)など社会的信用が大きく失墜、単独での事業継続は難しいと判断し、2014年5月に民事再生法の適用を申請(負債約41億5728万円)、同年9月の再生手続き開始を経て2015年7月に再生計画の認可を受けていたが、計画通りの収益を確保できなかったため、事業の再生を断念したという。

(追記:2016年5月13日)
同社は4月14日、松山地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成28年(フ)第22号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成28年7月13日午後1時30分、破産管財人には保全管理人に選任されていた越智顕洋弁護士(一番町法律事務所、愛媛県松山市一番町2-5-20、電話:089-961-1447)が就任している模様。



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