官報(6739号)によると、東京都文京区小石川の「株式会社日本医学館」(代表取締役:菊澤俊明)は3月10日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成28年(フ)第1515号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成28年6月13日午前10時、破産債権の届け出期間は平成28年4月14日までとなっている。また、破産管財人には高柳一誠弁護士(やざわ法律事務所、東京都墨田区江東橋4-29-12 あいおい損保錦糸町ビル3階、電話:03-5625-2773)が選任されている。
同社は昭和46年5月に「蓮華堂出版」として創業した出版社。設立直後に役員2名が病死するなどしたため、休眠会社に移行していたが、昭和56年頃に腹腔鏡研究会(現:肝疾患の集い)の代表で、当時岡山大学助教授であった故・島田宜浩氏(島根医科大学(現島根大学)名誉教授、2013年1月1日死去)から同研究会の定期刊行誌の制作・刊行の依頼を受けて事業を再開し、1982年(昭和57年)5月に同社を設立。同年、同研究会の定期刊行誌『腹腔鏡(Peritoneoscopy)』の刊行を開始。昭和60年に現代表が株式会社医歯薬出版を退社し、その際に医歯薬出版が刊行していた定期刊行物『消化器と免疫』『炎症』の2冊の出版・発売権を取得し事業を本格化させていた。
同社はそのような経緯から医師や医学研究者、医学生などを対象とした専門医学書や医学雑誌に特化しており、医学雑誌『今日の移植』や日本バイオマテリアル学会の機関誌『バイオマテリアル-生体材料-』などの刊行のほか、『血液内科診療マニュアル』『呼吸器内科診療マニュアル』など、現場の医師や医学研究者などを対象とした専門医学書を刊行していた。
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