信用調査大手の東京商工リサーチによると岐阜県高山市奥飛騨温泉郷の「株式会社平湯館」(代表取締役:沖本憲嗣)は3月30日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は網野精一弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、東京都中央区八重洲2-8-7、電話03-3273-2600)ほか3名で、負債総額は約16億円。
同社は大正12年に創業し、昭和14年5月に法人化した旅館経営会社。岐阜県最北部の奥飛騨温泉郷平湯地区に位置し、過去には皇族が宿泊するなど格式の高い老舗高級旅館として知られる「平湯館」を経営し、温泉ブーム時の昭和年代後半から平成年代初頭には年間売上高は11億円に達していた。
しかしブームが沈静化すると、同業他社との集客競争や過去に実施した本館新築、大浴場などの設備投資に関する負担が重く、資金繰りが逼迫。近年になっても業況が好転しなかったため、東証一部上場の福利厚生運営代行会社「株式会社リロ・ホールディング」(東京都新宿区)の子会社でリゾートホテル・旅館の再生を手がける「株式会社ワールドリゾートオペレーション」をスポンサーとして経営再建を図ることになったという。なお、施設の運営は現在も継続されている。
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