信用調査大手の帝国データバンク及び東京商工リサーチによると、東京都新宿区西新宿(本店所在地は栃木県宇都宮市中央)の「株式会社ヴァンネット」(代表取締役:高橋淳)は7日、東京地方裁判所に自己破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。事件番号は平成28年(フ)第1530号で、破産管財人には今村哲弁護士(港区西新橋1-20-3、リソルテ総合法律事務所、電話:03-3502-2357)が選任されている。
同社は2000年(平成12年)7月に設立された日本国内で唯一のワイン投資ファンドの組成・運営会社。平成13年に商品投資販売業許可(現:第二種金融商品取引業登録)を受け、ワイン投資の組成・運用を開始。主にフランス・ボルドー地方のプリムール・ワイン(ブドウ収穫後樽で熟成中のワイン)の買付によるワイン投資を手掛け、2001年4月から2014年6月に至るまで合計25本のワイン投資ファンド(商法上の匿名組合)を組成し、延べ1989名の出資者から総額約77億4600万円の出資金を集め、匿名組合方式による営業者として投資運用を行ってきた。
そうしたなか、2015年12月3日に同社代表が過年度のワインの買い付け・売却に関して社内に虚偽の報告をしていた事実が判明。これを受け、同年12月7日に外部専門家である弁護士に不正調査の依頼を行っていた。また、12月25日付で関東財務局長より、不正又は著しく不当な行為を行なっている状況があるとして、第二種金融商品取引業の登録取り消しと、業務改善命令を受けていた。
その後2016年2月29日までの間、調査担当弁護士による不正調査が実施され、3月4日に東京都内で、この調査に基づく出資者説明会が開催された。不正調査の結果、調査対象期間である2008年から2015年までの間、高橋氏が実施したワイン取引について継続的かつ頻回に数々の虚偽報告がなされていた事実と、その結果、投資対象のワイン商品在庫が激減していた事実が明らかとなり、今回の措置となったという。
負債総額及び債権者数は帝国データバンクでは約530名以上・約40億円、東京商工リサーチでは未償還出資者523名に対して36億7372万円に加えて数億円の債務となっている。
(2016年3月16日追記)
官報(6736号)によると、同社の破産手続きに関する破産債権の届け出期間は平成28年4月11日まで、財産状況報告集会の期日は平成28年7月12日午後2時であると判明した。
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