信用調査大手の東京商工リサーチによると、東京都千代田区内神田の「株式会社育文社」は2月24日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人には鈴木康浩弁護士(すずき法律事務所、中央区新川2-8-2、電話03-5542-6262)が選任されている。負債総額は債権者18名に対して約1億6000万円。
同社は昭和25年12月に設立された出版社。受験参考書、テキストなど教育分野を主力とし、大学受験生から定評のある『思考訓練の場としての英文解釈』をはじめ、多くの参考書を出版して教育機関や書籍取次店に販売。また、医学部を志望する受験生向けの季刊誌『医大受験』の発行や語学テキストの広告取次なども手掛け、一定の事業基盤を構築していた。
しかし、平成11年頃より、取引先からの売掛金回収難などにより不良債権を散発して資金繰りが悪化、民間金融機関から資金調達を行う運営を余儀なくされていた。業容を維持する策として、不登校・中退者を受け入れる高校や個性のある予備校を紹介する『くちこみ君ガイドシリーズ』の刊行や自社WEBサイトでの直販を実施していたが、少子化などによる減収により業績回復の見通しが立たないとして、2015年12月に事業を停止していた。
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