東京都調布市の歯科医院経営「医療法人社団秀真会」に破産開始決定 脱税や理事長逮捕で信用失墜

官報（6717号）と民間信用調査大手の帝国データバンクおよび東京商工リサーチによると、東京都調布市上石原の「医療法人社団秀真会」は5日、東京地方裁判所に自己破産を申請し、同日破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成28年（フ）第671号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成28年5月24日午後2時、破産管財人には村上寛弁護士（弁護士法人大江橋法律事務所東京事務所、東京都千代田区丸の内2-2-1、電話：03-5224-5566）が選任されている。負債総額は債権者159名に対して約5億8000万円。

同法人は2001年（平成13年）8月に設立された歯科医院の運営法人。東京都や神奈川県において複数の歯科医院を経営するほか、がん遺伝子治療や人間ドッグ事業も行っており、平成24年8月期には7億2716万円の売上高をあげていた。

しかし2015年11月、当法人の理事長と共謀し、架空の支払い手数料を計上するなどの方法で脱税したとして、東京地検特捜部が国税OBで元税理士や税理士らを逮捕する事件が発覚。今年1月には、医師免許を持たずに末期がん患者に注射などの医療行為を行ったとして、警視庁が医師法違反容疑で当法人の理事長ら3人が逮捕されるなどしたため、取引先などからの信用は失墜が失墜し、相次いで訴訟を提起されたため、今回の措置になったという。