厚生労働省、「社員をうつ病に罹患させる方法」をブログに掲載した社労士に業務停止3ヶ月の懲戒処分

厚生労働省は愛知県一宮市千秋町の「木全美千男」氏に社会保険労務士法第25条の３に基づき、業務停止処分を行い、官報（6718号）に社会保険労務士懲戒処分公告を告示した。業務停止期間は平成28年2月12日から３ヶ月間となっている。

木全氏は1988年に社会保険労務士として登録し、翌89年に税理士として登録。愛知県清須市西枇杷町に「有限会社モンジュアソシエイト」、「きまた会計事務所」および「社会保険労務士きまた事務所」を設立。行政書士資格も持っており、顧客企業に対し財務・税務・人事労務・企業再生に関するコンサルティング業務を行っていた。また、『プロの首切りコンサルタントが教えるクビ切りのカラクリ』（秀和システム）、『見習い社労士綾花の事件日誌』（共著・日本経済新聞社）などの執筆活動により、社労士としては比較的名の知られた人物であった。

この記事を発端として社会問題化

しかし、有限会社モンジュアソシエイトのサイト上で運営していたブログ「モンスター社員を解雇せよ! すご腕社労士の首切りブログ」において2015年11月24日に掲載した「第４０回　社員をうつ病に罹患させる方法」と題する記事*1などがインターネット上などで炎上。社会問題となった結果、同年12月、日本労働弁護団に所属する弁護士により厚生労働大臣に懲戒請求が行われたほか、所属する愛知県社会保険労務士会から会則に違反したとして平成27年12月28日付で３年間の会員権資格停止処分と、同会からの退会勧告を受けていた。*2

*1:第４０回　社員をうつ病に罹患させる方法 | モンスター社員を解雇せよ! すご腕社労士の首切りブログ（archive.isによる魚拓）
*2:社会保険労務士会を退会した場合、その会が所在する都道府県内においては社会保険労務士としての活動はできなくなる。