大阪市中央区の元光学機械レンズメーカー「五鈴精工硝子」(旧社)が解散 ジャフコが買収し、新社に事業譲渡

官報(平成28年2月3日 号外第25号)によると、大阪市中央区北浜の元光学機械レンズ製造「五鈴精工硝子株式会社」(代表清算人:垂水考至)は平成27年12月25日に開催された株主総会の決議により解散した。

同社は1905年(明治38年)創業、43年(昭和18年)に法人改組した老舗光学機械レンズメーカー。プロジェクター、LED関連機器、医療用機器、監視カメラを対象とした光学レンズの製造を手がけ、特殊ガラスの溶融・成型を独自の技術で行い、特にプロジェクターで使用されるレンズアレイについては世界レベルで高いシェアを確保していた。また、製品の品質や性能の高さは、取引先をはじめ各方面から高い評価を得て、ピーク時となる2004年9月期には年売上高約48億4800万円を計上していた。その後も、海外現地法人の設立を行う一方、2006年にはりんくう工場(泉佐野市)が稼働を開始するなど業容拡大を図り、同年には経済産業省より「元気なモノづくり中小企業300社」の1社に選定されていた。

画像は新社の企業サイト
しかし、国内家電メーカーの業績不振により、国内の光学機械レンズの市場規模が縮小傾向になると、主力の各種プレス成型レンズや光学特殊フィルターの受注が伸び悩み、2013年9月期の年売上高は約18億円まで縮小。収益面でもメーカー各社のコストダウン要請が強く、一方で原材料購入コストがかさむなどジリ貧状況となっていた。そのため2012年に堺工場を売却するなど、経営の立て直しを図っていたが、りんくう工場への設備投資や海外現地法人設立に伴い、借入金が年商を上回るなど負担が重く資金繰りが悪化したため自主再建を断念し、負債約40~43億円を抱えて2014年11月20日に民事再生法の適用を申請し、同27日に再生手続きの開始決定を受けていた。*1*2

しかしその後、同年12月29日に日本最大のベンチャーキャピタル「株式会社ジャフコ」(東京都千代田区)が運営する「ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合」が新たに設立した「株式会社五鈴精工硝子」に事業譲渡を行う契約を締結*3し、裁判所の認可の上で事業譲渡を行っていた。

*1:帝国データバンク-大型倒産情報(五鈴精工硝子株式会社)
*2:五鈴精工硝子(株) : 東京商工リサーチ
*3:追報:破綻の五鈴精工硝子(株)をジャフコ買収


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