信用調査大手の帝国データバンクによると、茨城県神栖市砂山の「株式会社大湘技研」は8日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。申請代理人は宮原一東弁護士(桜通り法律事務所、東京都中央区日本橋茅場町2-3-6、電話:03-6661-6553)ほか3名。監督委員には渕上玲子弁護士(日比谷見附法律事務所、東京都千代田区有楽町1-6-4、電話:03-3595-2062)が選任されている。負債は約42億円が見込まれている。
同社は、1981年(昭和56年)10月に設立された石英ガラスおよびシリコン素材の研削・研磨加工業者。半導体製造装置に組み込まれるもので、デジタル家電品、パソコン、携帯電話、自動車業界など幅広いニーズを背景に、2008年5月期には年売上高約56億500万円を計上していた。
しかし、リーマン・ショックにより半導体市場が大きく冷え込んだ影響で、2009年5月期の年売上高は約27億9700万円と大幅に落ち込み、損益も赤字に転落。その後も半導体メーカーの減産や設備投資の凍結、先送りが止まらず、主力先からの受注量も大幅に落ち込んでいた。研磨機や三次元測定器など多額の設備投資負担が重く、余剰材料や減価償却費も負担となるなか、社内では帰休日を設け週休3日制をとるなど生産調整に取り組む一方、従業員を削減して対応していた。2011年から2013年にかけては、海外向けの新規受注先開拓効果で売上高が持ち直し、収益改善の動きもみられたが、ここにきて中国経済の減速で先行きの見通しが立たなくなったため、自主再建を断念したという。
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