官報(6694号)によると、青森県青森市の元ホテル経営「有限会社AGH」は6日、青森地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成227年(フ)第198号で、破産債権の届出期間は2月5日まで、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は5月13日午後1時30分となっている。破産管財人には石岡隆司弁護士(石岡隆司法律事務所、青森県青森市古川2丁目20-3、電話017-735-4838)が選任された。
同社は1937年(昭和12年)6月に創業、51年に法人改組した元ホテル経営会社。JR青森駅から近い繁華街に地上12階、地下1階建てのシティーホテル「青森グランドホテル」を経営し、立地条件に恵まれたこともあってピーク時となる96年7月期の年収入高は約18億3500万円を計上していた。しかし、青森市内に大手ビジネスホテルチェーンが進出するなど競争が激化すると宿泊客が減少。ブライダル事業についても減収に転じて2009年7月期の年収入高は7億5000万円にまで落ち込んだため、2010年1月に約21億6500万円の負債を抱えて民事再生法を申請していた(再生手続きは2013年に終結)。
その後、スポンサー企業となった都ホールディング株式会社(京都府京都市)の関連会社「都観光開発株式会社」にホテルの運営を委託し、同社は不動産の所有と債務の弁済を行う会社に移行していた。青森グランドホテルについては、都観光開発が同ホテルを核とした再開発構想を推進していたものの権利者の利害集約に失敗、建物が不動産競売に掛けられたため、2014年8月末をもって閉館している。ホテルの跡地については、同市内で村上新町病院などを運営する医療法人「三良会」が新病院を建設する予定。
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