信用調査大手の東京商工リサーチによると、東京都台東区の訪問販売業「有限会社メディカル・フューチャー」(台東区東上野2-8-8、大塚隆行社長)及び関連の株式会社COUSUI(同所、同社長)ほか3社は16日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人には田辺研一郎弁護士(中外合同法律事務所、千代田区丸の内3-1-1、電話03-3212-1925)が選任された。尚、負債額については現在調査中。
メディカル・フューチャーは平成16年に設立され、東北地方を営業エリアとして家庭用温熱・電位治療器の訪問販売を手掛けるほか、平成18年からは家庭用浄活水器「マーメイドウォーター」(定価:459,900円)の訪問販売を行っていた。電話でアポイントを取って各家庭に訪問する営業手法で営業展開を行っていたが、消費者から契約に関する相談が岩手県に寄せられていた。その後、岩手県の調査の結果、商品販売を勧誘する目的を告げず、浄水器の点検などと称して各家庭を訪問していたことや、勧誘の際、「水道水を飲み続けると体にカドミウムが蓄積される」等といった事実とは異なる説明を行っていたことなどが判明。そのため、岩手県から平成20年11月6日、特定商取引に関する法律第8条に基づき3カ月間の業務停止命令を受けた。以降は受注の低迷で売上が減少。業績回復の見通しが立たないため、事業継続を断念し今回の措置となったという。
COUSUIは平成17年に設立され、メディカル社と同手法の訪問販売を首都圏で行っていた。消費者から契約に関する相談が埼玉県と東京都に寄せられ、東京都と埼玉県から平成20年11月6日、特定商取引に関する法律第8条に基づき3カ月間の業務停止命令を受けた。メディカル・フューチャーとCOUSUIに特定商取引法に基づく行政処分を出す
*1にあたり、近接していない都道府県(岩手県、埼玉県、東京都)が連携して行った事例は全国初とされている。尚、COUSUIは浄活水器「マーメイドウォーター」の総発売元でもあったという。
連鎖したその他3社は以下の通り。
有限会社2ps&Co.は平成17年7月に設立。アパレルメーカーとして楽天市場に「Rose Glitter」の商号で出店し、洋服・カバン・小物等の販売を行っていた。
大塚クリニック・コーポレーション株式会社は平成13年1月に設立され、マカを主成分とする男性向けサプリメント「Viarence-EX」などの健康食品の販売を行っていた。
株式会社T・K・G(埼玉県さいたま市大宮区吉敷町1-62、設立平成18年5月、資本金1000万円、同社長)。詳細不明。
*1:この際には他に株式会社フォーライフ(埼玉県さいたま市・行政処分当時は清算法人として存在)にも業務停止命令が行われている。