山形でガソリンスタンドやホームセンターを経営する「コマレオ」が民事再生法の適用を申請 債務超過で口座差し押え


信用調査大手の帝国データバンクによると、山形県米沢市の小売業「株式会社コマレオ」は14日、山形地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、同日、監督命令を受けた。申請代理人は菅野修弁護士(仙台市青葉区大町1-2-16、晩翠法律事務所、電話022-215-6611)ほか3名。監督委員には粕谷真生弁護士(山形市城西町4-14-35、城西町法律事務所、電話023-664-2851)が選任されている。負債額は債権者約223名に対して約39億円。

同社は、1956年(昭和31年)9月に石油製品および日用雑貨品小売を目的に創業、同年12月に法人改組。ガソリンスタンドのほか「コマレオ」の店舗名でホームセンターを展開し、積極的に事業を拡大。さらに、パチンコ店、酒類ディスカウントストア、飲食店など経営の多角化を図り、同地区の流通業者としてはトップクラスの規模に成長していた。主力事業のガソリンスタンドは大手ブランド系列ではなく、独自の仕入ルートによるノンブランド店舗を展開。また、1995年には福島県福島市にパチンコ、物販、飲食店ほかの各種サービスを行う総合アミューズメント店舗「コマレオプラザ」を建設して注目され、近年のピークとなる2002年2月期には約94億7900万円の年売上高を計上していた。

しかし、市況の変化や同業者との競合激化から物販部門が振るわず、約20億円を投じて建設した「コマレオプラザ」をはじめ各店舗での採算が悪化。ここ数年は赤字決算が続くとともに、過年の投資負担が回収できない状況となっていた。その後も、各部門における同業者との競合激化から経営環境は好転せず、2015年2月期の年売上高は約63億円にとどまり、損益面も3期連続となる経常損失を計上、債務超過に陥っていた。

こうしたなか、融資を受けていた金融機関が今年3月に債権回収会社に債権を譲渡。回収会社が同社の銀行口座を差し押さえ資金決済に誤算が生じたため、自力での再建を断念し今回の措置となったという。

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