学習教材の訪問販売業者「アーサー教育社」と関連1社に破産開始決定 行政処分の一部不履行で国の機関が警察に告発


信用調査大手の東京商工リサーチによると、大阪府吹田市の学習教材の訪問販売業「株式会社アーサー教育社」及び関連会社の「株式会社ヴィクトリー」(所在地::同所)は4日、大阪地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人には團潤子弁護士(疋田淳法律事務所、大阪市中央区北浜2-1-19、電話06-6229-3240)が選任された。負債額はアーサー教育社が1億673万円、ヴィクトリーが1840万円で、2社合計1億2513万円。

アーサー教育社は2004年(平成16年)に設立された小中高校生用の学習教材「アルカスONE」等の訪問販売業者。「この教材を使えば、必ずテストで90点以上とれる」といった誇大な謳い文句で、十数万円から百万円以上する高額の商材を販売し、年間売上高約2億円をあげていた。しかし、「契約書を書くまで帰らない」と訪問先に思わせるほど強引な販売手法から多数の苦情が国民生活センターに寄せられるようになり、2015年4月28日には近畿経済産業局から特定商取引法違反(不実告知、過量販売等)により6カ月間の一部業務停止命令を受けた。また5月13日には代表者を含む5名が京都府警に逮捕されるなど、事業継続が不可能な事態となったため、今回の措置となったという。

また、行政処分の指示(購入者へ不実告知等を行っていた旨の通知と当局への結果報告)を一部履行しなかったことから、近畿経済産業局は11月18日、全国初の事例となる国の機関による警察への告発に踏み切り、12月11日には京都地検に書類送検されていた。関連会社のヴィクトリーも教材販売を行っていたが、今年4月に3カ月間の一部業務停止命令を受けた。その後、事業継続が困難となったため、アーサー教育社と同様の措置となったという。


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