広島の老舗仏壇メーカー「三村実本店」が自己破産を申請 円安で原材料高止まり
信用調査大手の帝国データバンクによると、広島市佐伯区の仏壇・仏具メーカー「株式会社三村実本店」(資本金2400万円、広島市佐伯区楽々園2-1-12、代表三村博昭氏、従業員10名)は、11月2日に広島地裁へ自己破産を申請した。申請代理人は中根弘幸弁護士(広島市中区上幟町3-3、中根法律事務所、電話082-224-0297)。負債は、債権者約69名に対して約3億4000万円。
同社は、1865年(慶応元年)創業、1951年(昭和26年)4月に法人改組された仏壇・仏具メーカー。今年、創業150年を迎えた広島地区における最老舗メーカーとして知名度は高く、熟練した職人が製作する「広島仏壇」と呼ばれる品質の高い仏壇を主力に、仏具、神具、祭礼具などを製造するほか、お香、仏事進物記念品などの販売も手がけていた。中国5県のほか、四国や九州地方を営業エリアに、近年は、本店と広島市内最大の繁華街である仏壇通りにある堀川店の2店舗を運営し、2003年3月期には年売上高約3億3000万円を計上していた。
しかし、近年は安価な輸入製品との競合や住宅事情の変化に伴い、仏壇を置かない世帯が増えるなど需要環境が悪化した上、円安進行による原材料の高止まりが収益を圧迫し、年売上高を上回る借入金の負担や累積赤字が重荷となり資金繰りが悪化するなか支えきれなくなり、10月31日に事業を停止していた。
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