創業136年の呉服屋「加賀正」が事業停止、自己破産申請へ 在庫充実化などで債務抱える


信用調査大手の東京商工リサーチによると、秋田県秋田市中通の呉服小売業「合名会社加賀正」(資本金100万円、加賀谷正司社長)は事業を停止し、18日、破産手続きを渡部聡弁護士(渡部聡法律事務所、同市山王中島町13-41、電話018-865-2127)に一任した。負債総額は約3億1000万円。

同社は1879年(明治12年)10月に創業した、業歴136年を重ねる呉服店。呉服、反物販売のほか、婦人服や宝飾品の販売も手掛け、昭和後期には年間売上高約9億円をあげていた。しかし、徐々に商況が悪化、経営再建の一環として1987年(昭和62年)8月、「株式会社加賀正」(現:株式会社エレーヌ、所在地:同所、のちに解散)を設立し、呉服、婦人服などの販売部門を同社に分離した。平成10年12月より再び呉服販売部門を同社に移行したが、呉服需要の落ち込みから減収に歯止めが掛からず、平成21年9月期の売上高は約2億7200万円にとどまっていた。

同社では以前から、多様なニーズに対応するためとして150帖の大座敷売り場に常時約500柄の生地を陳列するなど、在庫を充実させていた。しかし、これが資金負担となっていたほか、不動産部門の借入金もあり多額の金融債務を抱えていた。平成26年9月期の売上高は約1億5800万円に落ち込み、赤字が続いており、平成27年9月期に入ってからも業況が改善せず、経営再建の手段も途絶えたため、資金繰り維持が限界に達しこのような措置となったという。

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