電子決済端末販売のサンクが事業停止 マルチ商法報道で信用不安に


信用調査大手の帝国データバンク、東京商工リサーチによると、大阪市西区のセキュリティ機器販売「株式会社サンク」は10月31日、事業を停止し、破産手続きを川原俊明弁護士(弁護士法人川原総合法律事務所、同市北区西天満2-10-2、電話06-6365-1065)ほか6名に一任、自己破産申請の準備に入った。


同社は1991年(平成3年)2月に設立。ビルメンテナンスのほか、監視カメラなどのセキュリティ、アパレル、流通、クレジットカード決済・電子マネー決済が可能な複合決済端末の店舗設置を手掛けるRFIDなどの5部門で事業を展開していた。特に近年ではRFID事業に注力し、決済端末の設置を推進するため、複数の法人に対し端末を4台セットで100万円の価格で出資を募るなど業容を拡大。平成25年8月期の売上高は17億9874万円をあげた。26年8月期はRFID事業が頭打ちとなり、売上高は13億313万円にまで低下した。最近ではRFID事業から撤退し、セキュリティ機器の販売などに特化することで業績回復を目指していた。

しかし、旧幹部が多額の委託報酬金を不当に取得したことで、過払金として会社側から返還請求を求める事態が発生。加えて、新型決済端末機「CT1」開発に多額の費用を投じたにもかかわらず、同端末が完成しなかったことや、国税局から立ち入り・査察により事業継続に必要な書類、資料の大半が押収されたことで、業務推進に多大な支障が発生していた。そうしたなか、マルチ商法の疑いがあるとして、詐欺罪で大阪府警に刑事告訴されたとの報道が9月25日になされ、当社に対する信用不安が発生。資金調達が困難となり、今回の事態となったという。

負債総額は帝国データバンクが現在調査中、東京商工リサーチが43億1704万円(平成26年8月期決算時点)となっているが、
東京商工リサーチにおいても、今後大幅に変動する可能性があるとしている。

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