同社は、1991年(平成3年)6月に、東証一部上場の通信機器販売会社「株式会社フォーバル」のグループ会社「株式会社フォーバルクリエーティブ」として設立。ソフトウエアの企画開発・販売を手がけ、特にファイアウォールなどセキュリティー関連分野に強みを有していた。セキュリティへの関心への高まりなどもあり、2001年12月には大証ナスダック・ジャパン市場(現・JASDAQ)に上場。2007年3月期には年収入高約21億700万円を計上していた。
しかし近年はセキュリティー関連ソフトの導入が一巡し、同業他社との競合が激化したことで業況が低迷。2008年3月期には年収入高約17億5400万円を計上していたが、収益面では経常赤字が続き、継続企業の前提に関する注記がなされていた。同時期に都築電気元社長の都築省吾氏が率いる再生ファンド「TSUZUKI新生ファンド」が株式公開買付を実施した*1ことによりフォーバルグループから離れ現商号に変更し、フランチャイズ事業、広告事業、カード事業を展開するも奏功せず、新たに太陽光発電システムの販売を行うグリーンエネルギー事業に参入するなど業況の改善に努めたものの、2011年3月期には債務超過に陥っていた。また、2013年3月期の年収入高は約4600万円にまで落ち込むなど、その後も販売不振に歯止めがかからず資金繰りが悪化していた。
保証債務の支払いを求める裁判はその後、リカーショップから貸金債権を譲り受け、訴訟に承継参加した、合同会社エコ(東京都港区、代表社員:露木千尋氏)と26年1月31日、保証債務を2億5000万円に減額し、3月末日までに支払いすることで和解したが4月8日、一転して保証債務の支払いを留保するとしてエコに対し請求異議訴訟を提訴するなど、保証債務及び公正証書による違約金5000万円の支払いをめぐって裁判に発展した。こうしたなか、当社と係争中だった合同会社エコ(東京都港区)から2014年5月2日に東京地裁へ第三者破産を申し立てられた。
東京地裁は、当社が上記違約金等以外の借入金及び未払金の一部を支払っており、さらに運転資金として残高を有していることから、支払不能状態であるとは認められないと判断。また、増資を行ったことで債務超過が解消されたとし、現時点において債務超過に陥ったことを認める的確な証拠はないとして同年7月1日に申立を棄却していた*2が、その後26年3月期の有価証券報告書の提出ができなかったことから同年9月13日に上場廃止となっていた。
*1:連結子会社の異動に関するお知らせ - 株式会社フォーバル(PDF)
*2:インスパイアーへの第三者破産申立が棄却、破産原因なし(不景気.com)
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