国産バイオエタノールの生産会社が解散を決議し、特別清算の申請へ 農水省の補助金打ち切りなどで事業継続を断念

北海道バイオエタノール
信用調査大手の帝国データバンクによると、国産バイオエタノールの生産会社「北海道バイオエタノール株式会社」(札幌市中央区)は、6月24日に開催された株主総会で解散を決議した。今後、特別清算を申請する予定という。負債は2015年3月期時点で約13億1600万円。

同社は、2007年6月の設立。農林水産省が支援するバイオ燃料地域利用モデル実証事業「バイオエタノール混合ガソリン事業」としての認定を受け、国産バイオエタノールの製造、販売を目的に地元企業や商社などの出資を得て事業を開始した。2009年3月に工場(上川郡清水町)が完成。テンサイ、食用外の小麦などを原料として、同年11月から製造を開始、2013年3月期には年売上高約11億4600万円を計上していたが、主原料であるテンサイの不作により製造コストは増加、約1億2200万円の最終赤字を計上していた。

事業開始当初は国産の輸送用バイオ燃料の利用推進に向けた事業として注目を集めていたが、穀物相場の上昇に伴う原材料価格の高騰、補助金減額による操業の抑制などから減収を余儀なくされ、欠損計上が続き、2015年3月期は年売上高約8億400万円に対し約15億2800万円の最終赤字となっていた。こうしたなか、農林水産省が補助金の打ち切りを決定したため事業継続を断念し、工場の稼働を停止、以降は残務処理を進めていた。

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大型倒産速報 | 帝国データバンク[TDB]

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