同社は、1752年(宝暦2年)に陶磁器などの小売を目的に創業。明治中期に屋号を橘屋吉兵衛から「たち吉」に改称した後、1949年(昭和24年)5月に法人改組した。陶磁器販売業界では老舗として全国的に高い知名度を有しており、製造は京都清水焼および岐阜・愛知方面の窯元に委託していた。「たち吉」「青嵐」ブランドなどの多様な素材を用いたオリジナル食器を主体に、インテリア、エクステリア商品を販売。1957年3月に東京に銀座店を開設したことを皮切りに、全国主要都市の百貨店にて「たち吉」の店名で店舗を展開。売上のピーク時となる92年3月期には年売上高約271億4200万円を計上していた。また、2006年3月には和雑貨の店「COTODECO(コトデコ)」の出店を開始するなど業容の拡大に努めていた。
しかし、近年は景気低迷による消費の冷え込みの影響や安価な海外製品との競合といった内外環境の悪化に伴い売り上げが落ち込み、東日本大震災の影響が大きかった2012年3月期には年売上高が約49億7500万円にまで減少、当期純損失約20億9700万円を計上したことで大幅な債務超過に転落していた。このため、2013年3月には旧本店不動産を売却、また役員報酬や人件費を中心に経費の削減に努めるなど経営の立て直しを図ったものの、業況に回復が見られず、2014年3月期には年売上高約46億3500万円に落ち込み、赤字決算となるなど厳しい運営を強いられていた。
こうしたなか、2015年2月27日付で投資ファンド運営企業「ニューホライズン キャピタル」が同社の再生および成長支援を目的とした投資を決定。その再建スキームのなかで、同社は、新規に設立した新会社(現・株式会社たち吉(新社))に3月31日付で事業を譲渡し、同時に商号を(株)たち吉から現商号に変更。その後、5月19日に存続期間の満了により解散していた。なお、事業譲渡を受けた新会社は、現在も通常通り営業を行っている。
【関連リンク】
株式会社四条富小路(旧:株式会社たち吉)特別清算を申請‐帝国データバンク
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