株式会社日総建(東京都渋谷区)は6月29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は西村賢弁護士(成和明哲法律事務所、港区虎ノ門4-3-1、電話03-5405-4080)、監督委員には幸村俊哉弁護士(東京丸の内法律事務所、千代田区丸の内3-3-1、電話03-3213-1081)が選任された。負債総額は約17億3300万円(平成26年3月期決算時点)。
同社は1963年創業、日本電信電話公社(電電公社)による電話局を設計する専門の事務所として事業を開始した組織系建築設計事務所。「合理主義の建築」という逓信建築の伝統に基づき、堅実かつ質の高い建築を生み出す社風で、秋葉原UDXビルでグッドデザイン賞を受賞するなど多数の建築物でさまざまな賞を受賞していた。事業方面においては、官公庁や大手通信系設備工事会社などからの受注により、オフィスビル、官公庁庁舎、教育文化施設、医療福祉施設などの建築設計を行い、ピークとなる平成4年3月期には売上高は約49億3000万円をあげていた。
しかし、その後は建築需要の減退などの影響で減収が続き、24年3月期の売上高は20億1019万円まで落ち込んでいた。以前から借入依存度が高い財務体質で余裕のない資金繰りとなっていたうえ、外注費増加なども重なり自主再建を断念、今回の措置となった。なお、7月3日(金)午後2時より情報オアシス神田・オアシス4(千代田区神田多町2-4)で債権者説明会を開催する予定。
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